今回の学習内容
文の「述部」と「情報」
まず、文は文末の「述部」(=述語)が土台になっています(上図)。その土台の上に、必要な「情報」が加わり、「情報」と「述部」の関係を明示するために「(格)助詞(=ここでは関係助詞と呼んでいます)」がつきます。そして「述部」のことばには、欠くことのできない「情報」があり、情報には「必須成分」と「随意成分」とが含まれています。
例えば、「私は 食べる」というだけでは、なにを食べているのかがわかりません。そこに、例えば「ケーキを」といった「情報」と「助詞」が必要になり、この「ケーキ」ということばが「食べる」という動詞の必須成分ということになります。同様に「行く」という動詞には、「だれが」と「どこに」という「情報」が必須成分として必要です。このような述部と必須成分の情報の組み合わせを「文型」と呼んでいます。この「文型」には5つの種類があり、それらを5つの「基本文型」と呼んでいます。
「述部」には、名詞、動詞、形容詞を入れることができます。それぞれ「名詞文」「動詞文」「形容詞文」と言います(下図参照)。この中でいちばん多く使われるのは動詞です。日本語は、この「述部」のことばを土台にして、その上に必須成分を加えてまず骨組みが出来上がります。さらにその上に、「いつ」をあらわす時数詞とか、「原因・理由」をあらわす助詞「~で」を使ったことば(これを「随意成分」と言います)とか、副詞、接続詞などいろいろなことばが加わって複雑な文になっていくという構造になっています。
文型Ⅰ ~が+名詞・形容詞・動詞
上図のような文型です。必須成分となる情報の語は1つしかとりません。また、述部に名詞が使える唯一の文型です。名詞は「今日は、雨です」などです。
文型2 ~が~を+動詞
「~を」を必要とする他動詞はこの文型です。述部に来るのは動詞だけです。ただ、自動詞の中の「通過」(「バスが橋を渡る」)および「出発点」(「飛行機が 羽田を 飛び立った」)をあらわす自動詞はこの文型になります。
文型Ⅲ ~が~に+動詞・形容詞
文型Ⅰとならんで形容詞が使える文型です。また、「なにで名詞=形容動詞」も使えます。
文型Ⅳ ~が~と+動詞
上図の動詞の例のように、相手を必要とする文のかたちです。
文型Ⅴ ~が~に~を+動詞
これは「あげる」「もらう」「貸す」「借りる」「贈る」「届ける」「見せる」など、複数の人の間で物などをやりとりするときに使う動詞です。このような動詞には「情報」が3つ必要になります(上図一番下)。