難聴児の認知・言語の発達

生活言語と学習言語

「学習言語」の世界に入れる力、大丈夫?~年長・低学年時のWISC検査のここに着目!

生活言語から学習言語へ 「学習言語」の世界の特徴  小学校5年生の算数で「割合」を学習しますが、この「割合」というものは、目に見えるものでも実際に存在するわけでもありません。あくまで頭の中で考えられた抽象的な概念です。また、物理学や化学の世...
生活言語と学習言語

『9歳の壁』越えていますか?~「比較3問題」でチェックしてみよう!

『9歳の壁』とは、言語や思考のレベルが、抽象的思考ができる小学校高学年の発達段階に到達できず、その前の低学年段階にとどまっている現象のことで、聴覚障害児の特徴といわれることがあります。言い方を変えると、客観的な思考や抽象的思考ができる「学習...
生活言語と学習言語

難聴児の認知・言語の発達(7)~「学習言語」につながる幼児期の「考える力」5選

これまでの発達のプロセスと関わり方のポイント(まとめ) 子どもとの最初の関わり方のポイント~安定した親子関係を築く(0~1歳代) 難聴児の認知・言語の発達(1)から(6)までのシリーズで、生後半年頃から始まる象徴機能(Symbol)の発達と...
難聴児の認知・言語の発達

難聴児の認知・言語の発達(1)0歳~1歳頃・初語表出まで

生後半年くらいまで・・生理的基盤の発達 難聴児の0歳代の認知や言語の発達については、研究とか文献とかあまりありません。数少ない研究論文の中に野中(2006)のものがあり、野中は難聴乳児が音声がききとれないために大人との関係が作りづらいことを...
新生児聴覚スクリーニング・乳幼児教育相談

難聴児の認知・言語の発達(2)0~1歳代の関わり方のポイント5選

ことばが獲得されるために大切なこととして、親子の愛着関係の成立(社会的相互作用)と象徴機能の発達という二つのことがありますが、難聴児においては、前者の愛着関係を築くことの難しさがしばしば指摘されてきました(野中2006など)。それはきこえな...
難聴児の認知・言語の発達

難聴児の認知・言語の発達(3)~初語表出から「ものには名前がある」ことがわかるまで

このHPで以前、「難聴児の認知と言語の発達(1)0~1歳頃・初語表出まで」について書きました。初語の表出は親御さんにとって大きな喜びであることは言うまでもありません。しかし、初語の表出がイコール言語獲得かというと、実はそう簡単ではなく、もう...
手話

難聴児の認知・言語の発達(4)手話には言語獲得装置がある!?~「語彙爆発」のしくみ

前回、「ものに名前があることがわかる」ことが本来の言語獲得だと書きました。そしてそれは、「同じ」という観点で世界を切り分け(分類・カテゴリー化)、そのくくられたまとまり(=カテゴリー)に対して名前をつけるということを意味していました(例:「...
手話

難聴児の認知と言語の発達(5)1語文から2語文へ~複数のことを関係づける力の発達

1歳代のことばは、まず単語でいいたいことを表現する一語文に始まり、1歳後半になってくると、獲得する単語(手話)が急激に増えてきて(「語彙爆発」)、単語だけであらわしていた一語文から、徐々に二語文に移行していきます。今回はその発達の過程につい...
手話

難聴児の認知と言語の発達(6)手話からスタートして日本語はいつ頃どのように獲得されるか?

手話からスタートした難聴児は1歳半から2歳頃に、述部を構成する動詞や形容詞の語彙を獲得し文を構成する統語構造を身につけて二語文が生成できるようになります。その認知的基盤になっているのが二つのことを関係づける力の発達と考えられますが、このよう...