助詞の指導(1)~助詞理解度の評価・助詞テストを使ってみよう!

日本語文法指導
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実態の把握

 子どもが助詞をどの程度理解しているか、その把握はとても重要です。子どもの今持っている力がつかめないと、どこからどのように指導を進めるか指導の計画が作れません。また、指導したのちどれだけ伸びたかも測ることができません。そこで、実態の把握方法として2つ紹介します。

J.coss(ジェイ・コス)日本語理解テスト

 一つは『Jcoss(日本語理解テスト)』を使うとよいでしょう。これは標準化された検査で、主に日本語の文法力が測定できます。この検査でだいたいの子どもの助詞と動詞(活用を含む)の理解力がわかります。通過項目数と項目の内容によって異なりますが、助詞に関して言えば、前半項目の7番目にある「置換可能文(可逆文)」(例:正語順「女の子は 牛を 押しています」)が「通過」(=4問全問正解)できていない、②後半19項目「格助詞」の2番目と3番目のの問題(逆語順「馬を 牛が 押しています」「男の子を 羊が 見ています」)が、2問とも「正答」できていなければ、助詞「が、を」の使い方が理解できていないということですので、助詞の基礎・基本から順に指導します。

助詞テスト(TKⅡ型・Ⅲ型)~「が(は)、を、に、と、で」に着目

 難聴児が苦手な助詞は、上のような一文字の格助詞です。この助詞に特化したテストが、筆者(木島)が作成した『助詞テストTKⅡ型』(絵入りで少し易しい)『同TKⅢ型』(絵なし・文のみ)『レディネステスト』です。助詞テストTKⅡ型は助詞「が(は)、を、に、で」の検査で80~85点以上、TKⅢ型(絵なし)で70~75点以上なら、間違った助詞を中心に集中的に指導すればよいですが(回答分析用のExelで各助詞別に理解度が算出可能)、それ以下なら基礎から順に一通り指導します。
 また、上記2つのテストは、助詞「と」が含まれていませんが、『きこえない子のための新・日本語チャレンジ』に掲載されている『レディネステスト』には、助詞「と」も含まれています。以下、各テストの問題と解答(評価シート)は、PDFをダウンロードしてお使いください(但し、PDFですのでご了承ください)。

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