動詞の指導(2)~動詞活用の指導方法

日本語文法指導
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動詞の活用は国文法では、5つに分けています。しかし、子どもに教える時にはこんなに細かくする必要はありません。日本語指導では下のように3つに分けます。

  1グループ・・・国文法五段活用

  2グループ・・・国文法上一段活用、下一段活用

  3グループ・・・国文法か行変格活用(来る)、さ行変格活用(する)

 日本語指導では、動詞の活用部分は、上の表を見ていただければわかるように、「ない形」とか「丁寧形」とか「仮定形」「命令形」・・・といったように実際に使われるときの使い方に即して分類しています。
実際にこの活用の指導の仕方ですが、この3つのグループの中で、「食べる」「着る」といった2グループ動詞は活用は単純なのでここでは省略します(YouTube日本語講座のほうを参考にして下さい)。
 また、3グループ動詞の「来る」「する」は特別な活用で、そのまま覚えるしかないのでここでは扱いません。ここでは、1グループ動詞(以下1G)を例に指導方法について説明します。

1グループ動詞活用表の記入

 表に1グループ動詞の語を書き込んでそれぞれの欄を順に埋めていきます。
1.「歩く」であれば、まず最初に表の上の欄に「あるく」と書きます。

2.次に「あるく」の語尾「く」に着目します。「く」はか行にあるので、下の五十音表をみて、表の右の欄に縦に「か、き、く、け、こ」と書きます。

3.表の①から⑨までのそれぞれの欄に、それぞれの色の文字と同じになるように、「あるか」「あるき」「あるく」・・と順に書いていきます。

4.空欄⑦(白色欄)のところは、右下の「て形」の表を見ながら書きます。「あるく」の場合は、「~く」なので、「く」で終わる動詞は「~いて」になることから、「あるいて」「あるいた」に変わることがわかります。

以上が1グループ動詞の活用表の記入手順です。表の中にどのような活用形を入れるかは任意です。この表には「使役形」がありませんが、「使役形」を入れて表を作ってもよいでしょう。また、この表に書き込む指導をしたら、必ず書き込んだ後に実際に文を作るよう指導します。例えば「ない形を使った文を作りましょう」とか「命令形の文を作ってみましょう」など。それによって学習した動詞の活用が文の中で具体的に使えるようになります。さらに、子どもが書いてきた日記の中での動詞の活用の間違いなども、その動詞が何グループの動詞かを考えさせ、活用表を使って実際にその動詞の活用を書かせてみると自分で間違いを発見できます。ここがとても大事なところであることは言うまでもありません。

 1グループ動詞の活用表が作成できれば、2グループ動詞の活用表は簡単に作成できます。また、「来る」「する」という特別な活用をする3グループ動詞の活用は、作成してそのまま残しておき、あとで調べて使えるように「おたすけシート」を作成します。このシートは、表裏両面パウチして保存するととても便利に使えます。下記の欄からダウンロードして使って下さい。

参考になる記事・支援教材

☆YouTube日本語講座第9回 動詞の活用・その1~1グループ動詞
https://nanchosien.blog/verb-conjugation-group1/#group1

☆YouTube日本語講座第10回 動詞の活用・その2~2グループ動詞
https://nanchosien.blog/verb-conjugation-2/#group2

☆YouTube日本語講座第11回 動詞の活用・その3~「来る・する」は何グループ?https://nanchosien.blog/verb-conjugation-3/#group3

★活用おたすけシート

★『絵でわかる動詞の学習』難聴児支援教材研究会 A4版 86頁 1,700円https://nanchosien.blog/verb/#verbpicture

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