助詞の指導(5)~助詞「と」の指導方法

日本語文法指導
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助詞「と」の指導

  助詞「と」には、いわゆる格助詞接続助詞の二つの種類があります。接続助詞というのは、「春が来ると、花が咲く」などのように、単文と単文をつなぐときに使われ、「~が来ると」のように動詞基本形+「と」のかたちで使われます。ここで扱うのは、いわゆる格助詞の「と」の使い方です。上図から、二つの「と」の位置と、使っている手話記号・手話助詞記号のかたちが異なりますが、これは意味・用法が違うからです。

①相手の「と」、②一緒にの「と」

相手の「と」

 まず、図の上のほう、「を」「に」「で」などの助詞と同じ位置にある助詞「と」ですが、手話助詞記号は「人差し指を立てて向かい合わせた記号」です。この意味は、相手を必要とする動詞(述部)に使う「と」という意味です。例えば、以下のような動詞は、相手を必要とする動詞で、一人だけでは意味的に十分に成り立ちません。「けんかする」「たたかう」「競う」「けっこんする」「付き合う」「話し合う」「ぶつかる」などがあります。これらの「と」は、基本文型Ⅳ(「~が~と+動詞」)の「と」です。このような動詞に使う「と」を相手の『と』と言います。
  

一緒にの「と」

 これに対して、情報と述部の間ではなく、情報(名詞)と情報(名詞)のあいだをつなぐ「と」というのがあります(例「ママが りんごと バナナを 買った」)。この文では、動詞「買う」に必要な助詞は「を」ですから、かたちの上では、「ママが~を買う」になります。
 しかし、買ったものが複数あるため、このまま買ったものを入れると「ママが りんご、バナナを買った」となります。これはこれでよいのですが、一般的には、複数のモノを「と」でつなぎ、「りんごとバナナ」と使います。この時の「と」は、情報と助詞の関係を言っているのではなく、情報間の関係を言っているので「情報間の助詞」と呼んでいます。そしてこの「りんごとバナナ」をまとめて一つの大きな名詞としてくくると「ママが~を買う」という「が・を」を使った文型になることがわかります。基本文型の「と」とは違います。

参考になる記事

 YouTube日本語講座 第22回 助詞「と」の二つの使い方
https://nanchosien.blog/particle-to/#particleto

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