幼児の絵日記を四段落で描く方法

絵日記、日記・作文
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文章構成の基本パターンは?

四段落構成法と三段落構成法

 私たちが何かの文章を読んで内容がわかりやすく整理されていると感じるのは、四段落に分けて書いた文章で、いわゆる「起承転結」で書いたものです。この方法は、日記だけでなく、入学試験や採用試験で課せられる小論文などを書く時の基本にもなっています。
 また、もう一つの方法として三段落で書く方法もあります。例えば研究論文などは「序論・本論・結論」といった三段落でまとめることが多いですし、手紙とかメールでの文章も「挨拶(時候の挨拶)・用件(近況)・結びの挨拶」という流れで書くことが多いでしょう。
 ここでは、内容に変化や盛り上がり(転の部分)がある方法である四段落構成で書く方法を取り上げ紹介します。

四コマ漫画は四段落構成法の典型

 

 四段落で書いた文章(「四段落構成」)の典型は四コマ漫画です。聾学校の幼稚部では絵日記を描くことが毎日の課題になっていることが多いですが、「絵日記、何を描けばいいんですか?」という保護者とくに漫画が好きな方に一つの方法として四コマ漫画で描く方法を紹介することがあります。上の絵日記が四コマ漫画で描いた絵日記の例です。 
 もちろん、幼児期の日記の描き方は子どもに合わせてさまざまですからこだわる必要はありませんが、四段落で書くようにすると子どもも自然にその手法を身につけ、小学校以降の自分で書く日記に「起承転結」あるいは「はじめ・なか1・なか2・おわり」という四段落で書くようになることが多いです。そのようなメリットもあるので、今回は、幼児期の絵日記を四段落で描く方法を紹介したいと思います。 

四段落で書いた小学生の日記

 ここで紹介するのは、幼稚部時代に四段落で絵日記を描いてもらっていた小1児童の日記です。どちらの日記ともそれぞれの段落が一文で書かれ、文字数は約100字で1頁におさまるよう書かれています。文字数を意識して書くことはことばを選ぶ練習にもなりますのでおススメです
 また、最後の段落が「楽しかったです」ではなく、「ぴかぴかになりました」「大みそかみたいでした」といったオノマトペ比喩を使うことで、読む側にもイメージがわき、書いた本人の気持ちも伝わる表現になっています。

四段落構成法での絵日記の描き方

四段落構成法の基本パターン

描き方の基本パターンは上図のようになります。小論文の基本パターンは幼児の絵日記では使わないので、物語の基本パターンで描きます。
 「起」では「いつ、どこ、だれ」などを必要に応じて入れます。そして「承」でその続きをもう少し書きます。「転」では前の段をさらに続けて深めてもいいですし、話題を転換するのもよいです。そして最後の「結」では「楽しかったです」「うれしかったです」といった定型句より、できるだけ客観的な描写をするよう心がけます。

まず、一段落一文から始めよう

 上の絵日記は年少児と年中児の絵日記です。四段落でそれぞれの段落とも一文でかかれています。

各段落の文を少し長くしてみよう

 年長児では、それぞれの段落の文をもう少し詳しく書くようにします。工場見学の絵日記の例では、車で行く途上のことを「起承」で描き、工場見学での出来事を「転結」で描かれています。
 ズボンに穴が開いた絵日記の例では、ズボンの穴が気になって指を入れてだんだん穴が大きくなっていく過程を「起承」で描き、その延長でのクライマックス場面を「転」として描き、「結」でオチが描かれています。絵も四つあり、四コマ漫画の手法で描かれています。

題名をつけてみよう、自分で描いてみよう

 幼児の絵日記には通常題名はつけませんが、題名をつける練習をしてもよいと思います。題名は絵日記を書いてから、その絵日記の中の言葉、例えば「結」の中の言葉を使ってつけるとよいでしょう。添付した日記の例でいえば、「ぼく、薬飲めるよ!」とか「自分だけのポッキー作ったよ」とか「穴、大きくしちゃった」「ぼくの失敗」「死んだふり」など子どもと相談してつけます。このような練習をしていくと、だんだんと子ども自身も四段落で書く方法を身につけ、自分でもそう書くようになります。小学生になる一歩手前、年長の終り頃には上の例のように一人で描ける子も出てきます。ぜひ、やってみて下さい。

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