50音表を覚えよう!

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はじめに

 言語は、どのような言語でもまず音素日本語の場合は、母音=a,i,u,e,oと子音(k,s,t・・)の組み合わせで出来ている音韻母音と子音の組み合わせで成り立つ音=文字=「か」「さ」など)があり、その音韻(=日本語では文字と同じ)の組み合わせで単語(語彙)が作られています(例「かさ」)。
 そして、その単語を並べて私たちは自分の言いたいことを表現します(例「ない」「かさ」)。しかし、表現の仕方を共通のルールとして決めておかなければ人に伝わりません。そこで決めたルールが文法(統語)です(例「かさ+が+ない」)。

 きこえる子は、最初に日本語を獲得する時、決して「か」とか「さ」といった音韻を最初に獲得してから単語としての「かさ」を身につけるわけではなく、日常の会話の中で、音韻と単語を同時的に耳でききわけ、口を使って話しながら(話した語を自分でも聞きながら)単語を身につけていきます。

 きこえない子の場合も、聴覚が使える軽中度や人工内耳の子は「音」からその単語を習得していきますが、聴覚が使えるといっても、聞こえる子のように「か」と「さ」とが明確に100%聞き分けることができるわけではなく、最初は「かさ」も「あ、あ」といった母音主体のきこえでしょう。そして経験を積み重ねながら「か・さ」と「聞き分けられる」ようになるためには、100%の音が区別ができる音韻記号つまり視覚記号である文字・指文字の習得が必要です。ですから、50音表はなるべく早いうちから見慣れておくのがよいでしょう。

家の壁やお風呂に50音表を貼っておこう!

 日本語の音韻・文字は、100いくつありますが、最初は50音表から貼っておきます。3歳位になってだんだん日本語に興味・関心が出てきたら、お風呂にはパウチした小ぶりの50音表(「たのしい指文字」A4パウチ版)を貼りましょう。そして、風呂から上がるときに「1,2,3・・」と風呂の中で数えたのと同じように、「あ、い、う、え、お、か、き、く、け、こ・・」と文字を見ながら指文字と声で読むのもよいと思います。大切なことは50音表の縦と横の並びを丸暗記することです(将来、国語辞典を使う時に必ずこの順番を知っていることが必要になりますよね)。まずは「50音表」(清音)を覚えましょう。そして年中さんくらいになったら濁音、半濁音、拗音なども含まれた「100音表」に換えましょう。さらに、年長さんくらいになったらひらがな表だけでなくカタカナ表も貼っておきましょう。

発音は母音と後続母音だけ気をつけよう! 

  読む時に発音明瞭度は問いません。大事なことは、明瞭度でなく、自分が今、何を話しているのか自分で意識すること。「イヌ」と言っているのか、「イス」と言っているのか、自分で口を動かして意識することです。こちらが注意するのは母音・後続母音の口形が合っているかどうかを見てあげること。50音表を横に読むとア行の「あ、か、さ、た・・」は後続の母音は全て「a」ですから、横に読む時に口形が合っているかどうかだけ注意してあげましょう。
 それから、話し慣れていない子の中には、「オ」と「ウ」の口形が同じになる子がいます。その場合は、50音表とは別に、親が口形を見せながら、同時に鏡で子どもに自分の口形を見せながら「ア→オ→ウ」の順に発音させてみるとよいでしょう。この順に声を出すと、だんだん口の形が小さくなっていくことに気づきます。
 同様に「エ」と「イ」が区別できない場合は、「ア→エ→イ」の順に上のやり方でやってみましょう。ついでに、口を閉じて「ン」の発音もやってみましょう。

ダウンロード用学習教材

  以上の学習を進めるために作ったのが以下の教材です。ぜひ、使ってみて下さい。そして、使った感想などきかせていただけると次の教材開発のための励みになりますのでよろしくお願いします。

 ★『50音表』 

☆『たのしい指文字』(B3大型版2枚セット1,000円、A4小型版ラミネートフィルム加工350円)https://nanchosien.blog/finger-sign/#fingersign

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