ことばのないわが子に代わって~”代理日記”に取り組んでいるママ

子どもとの関わり方
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 ある聾学校の乳幼児相談0歳グループに通うママさんが、育児記録にお子さん(1歳1か月・重複障害)の気持ちを表した”代理日記”を書いておられます。そのママは、書くことで「Aにとって今日が良い一日だったかどうか」ということを考えながら過ごしていきたいのだそうです。

 この「代理日記」を通して、Aちゃんのママは、子どもの気持ちを的確に読み取り、それをことばで表現されています。子ども目線で何を見ているか、何を感じているかがあまりに自然に、そしてきっとそうだろうなと思えるように想像し書かれています。驚きと共に、とても微笑ましい気持ちになります。以下に紹介してみましょう。

〇月〇日 

 「びょういんのせんせいが、はなをすすってくれた。こわかった。へんなきかい。いやだった。たいふうがきたから、ごごはママといっしょにあそんだ。たのしかった。 えほんをよんでもらった。さいきん、ママとはなれるとかなしくなる。パパもわたしのそばからはなれるとさみしくなる。これ、あとおいだよね。ほちょうきをはずそうとすると、ママがおこる。だから、はずさないの。だけど、きになるの。ママがいないとき、かんじゃえ!」

×月×日 

 「ごぜんちゅう、ひるねしてたら、ママ、いなくてびっくりした。わんわんないて、とびらのところにへばりついたよ。もうどこにもいかないでほしいな。ごごはたくさんの しょうがくせいとせんせいにあそんでもらったよ。たのしかった。でも、みんな、ほっぺたつねったりさわったりするからいやなの。かなしくなるの。すこしこわかったけど、みんなにかわいいっていわれるとうれしいよ!よるはママとおふろにはいったよ。すこしおふろでみずあそびをしたよ。よるはぜんぜんねむくないのに、ママ、ねろねろとうるさかった。えほんよみたいし、あそびたいし、いやなの~。…コテン」

 以上はほんの一部ですが、Aちゃんの代理日記には、「こわかった。」「さびしかった。」「かなしかった。」「いやだ。」「楽しかった。」「嬉しかった。」「びっくりした。」「うるさかった。」等、Aちゃんの気持ちがどうだったかが実に豊かに表現されています。この子どもの気持ちを読み取れていることが、ママの素晴らしい点です。この気持ちをその場その場で感じ取り、それをことばに表すことが「共感」に繋がります。ママの姿が見えなくなって、泣いていたAちゃんに「寂しかったね。」「ママがいなくて、悲しかったね。」とことばで伝えてあげることで、子どもは「私の気持ちをママはわかってくれた。」「まさにそうだったの。悲しかったの!」と共感してもらえたことで安堵し、理解してくれるママへの信頼を深めることができるのだと思います。 
 ”代理日記”に書けたことは、実体験の場から離れて、ママが一人冷静に振り返ったときに想像して書けたことだと思いますが、この想像をたくさんすることが、子どもの気持ちの読み取りの感性を鍛えることに繋がると思います。

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